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2014年5月24日土曜日

ハイレゾ音源の実態と潜むニセレゾ。見直すべきCD。ハイレゾに踊らされていませんか?【音源編】

私は少し前からポータブルオーディオにはまり始めて、何かと話題の「ハイレゾ音源」にもちょこちょこ手を出していました。
そうした中で見えてきた「ハイレゾ音源とは実際どんなものなのか?」、CDについて見直すべきことなどなど多々あったのでまとめることにしました。
これからハイレゾを始めようかと思ってる方の基礎知識として参考になれば幸いです。

私が手を出しているハイレゾ音源は主にJ-POP・アニソンなので洋楽やクラシックなどに関してはここで書くことが当てはまらないかもしれないのでご注意ください。
(実は、当てはまることも多いのですが実際に私自身が買って検証してないため)




長めの記事ですがわかりやすく書いたつもりなので最後まで読んでもらえると嬉しいです。


■「復習」まずハイレゾ音源とはなんなのか?


定義的には、サンプリング周波数と量子化ビット数がCD(44.1kHz/16bit)を上回る音源を指します。
ハイレゾ・・・ハイレゾリューション(=高解像度)
つまりCDよりも情報量が多く豊かな表現力を持っているため「CDより高音質」と言われています。

「CDより高音質」って言葉がしっくりくるとは思いますが、「CDよりも記録できる器が大きい」と捉えたほうが分かりやすいと思います。人が聞き取れない高い音や低い音まで。。



■聴いててCDより音が良い!・・・それ、本当に「ハイレゾだから」「CDより高音質」なのか?


手始めにまず、私はラブライブのSnow halationというハイレゾ音源を購入しました。
そして聴いてみると、すげぇ!!楽器の音がちゃんと分離してて聞こえる!立体的な音でボーカル1人1人の声も綺麗だ「CDに比べてハイレゾやべぇ」と思ったのです。

ここで感想を「CDに比べてハイレゾやべぇ」と発言してしまうと、知ってる人には鼻で笑われてしまうかも。

どういうことか?

そもそも、「波形」が違うのです。



 
上がCD音源、下がハイレゾ音源です。


画像のように波形が違えばCDとハイレゾを聴き比べた時に、その音がハイレゾによる恩恵なのかわからないのです。

とある掲示板で「ラブライブのハイレゾ、音が良いとか言ってる奴プラシーボだろwww CDと変わる訳が無いw」というような書き込みを見かけましたが、波形の観点から見てこれは情弱丸出し違うということが分かります。(聴いて違い分からずにそう言ってるなら・・・(察し )


波形が違う!?!?クソかよ!!と思った方もいるかもしれませんが、寧ろいいことなのです。
ランティスのCDは音が悪いことで有名(何が悪いのかは以下に記載)ですが、CD音源のままハイレゾにして売られたってたまったもんじゃありません。そこでマスタリング前の2mixでラブライブのハイレゾ曲は配信されています。



■音が悪い?イマイチピンと来ない・・・ん?マスタリングって??


ではもう少しその波形について噛み砕いてみます。
ここではザックリ簡略化して書くので細かく言えば違うところ・不足もあるかもしれません。ご了承ください。


まず、音圧戦争というものをご存知でしょうか?

音圧とは、簡単に言えば音量のことです。

例えば私達が音楽プレーヤーで同じ音量で固定して曲を聴くときに(他の曲よりも)少しでも音を大きく再生しようとするために音圧を上げます。適度な場合は曲全体を通して迫力のある感じになります。


えっ!?そんな魔法のようなことどうやってやるのか。


それは曲作りの工程のうち、各楽器の音やボーカルを混ぜるミックス・調整が終わり、音の最終的な調整であるマスタリングという工程で行われます。



まず、ここにミックスが終わった音源があります。(絵が雑なのは許してくださいw)
上下に大きく触れるほど音が大きく、小さく振れるほど小さいとします。
音の大きい部分や小さい部分があるのがわかります。

このまま全体の音を上げようとすると最も尖っている部分が枠(音圧をあげられる最大部分)にあたり、十分に音を大きくすることができません。





そこで、大きい音は小さく、小さい音は大きくして音を潰します。




できました。





そして音を上げると・・・・見事!曲全体を通して迫力ある(ずっとうるさい音)にすることに成功しました。
音の大小・音のダイナミクスを犠牲にして・・・・・





あれれっ・・・よく見ると欲張りすぎて枠からはみ出ちゃってます。
これが所謂クリッピング、音割れに繋がるものです。
音割れの聞こえ方は環境によってことなりますがiPod付属のイヤホンであろうと聞こえます。


ただこれが厄介なのは音割れが分からない人がいるということです。
例えば誰かが「○○って曲音割れしてる!」というと「音なんか割れてない」「音割れてるとか言ってる奴アホなんじゃねぇのw」という人が必ずと言っていいほど現れます。

恐らくこんなことが起こるのは耳が悪いという理由を除くと、音割れというのがどういう音なのか分かっていないというのが大きいと思われます。
環境によって聞こえ方は多少変わるのですが、ビニールの袋やセロハンをグシャっとやったような音これが音割れです。


百聞は一聴に如かず。ここで、最近音割れで話題を呼んでいた音源を聴いてみましょう。




何箇所か割れてるのですが、分かりやすいのは1分15秒あたりからの「流星より速く」の「より」の「「り」」でバリバリと聞こえます。
これはYoutubeに上げられて音がmp3のように圧縮され、劣化したから起こった音割れではないことが証明されています。

聴いてみてどういう感想を持ったでしょうか?



「なるほどこれは気になる。」という方もいれば「こんなの気にするのかよw別にこれくらいなら気にならないし問題ない」という方がいるでしょう。
上で「音割れなんかしてない」と発言していた人は音割れがどんな音か分かり、後者の意見を持つことが多いです。

ここで気にならないからと問題無い!と言い切っちゃうと、音楽業界の質を更に落とすことに繋がるかもしれません。


気にならないから問題無い(良い)

製作側「多少音が割れても、音のダイナミクスが失われても音圧マシマシのずっと迫力あった方がいいんだな」


といった具合に。過度の音圧稼ぎをされては音楽性もクソもありません。


長かったですがラブライブの方に戻ります。思い出してみてくださいCD版の波形を。




もうお分かりですね?上下にベッタリとくっついちゃってます。俗に言う海苔音源というやつです。


では、クリッピング・音割れしている部分を赤く表示してみましょう。


うぎゃああああああああああああああああああ


曲を通して1箇所2箇所のレベルではありません。
クリッピングの箇所を抽出してみます。





地獄絵図。。


今見てきたのは曲の全体像なので1部を拡大して見てみます。



こういった具合にぺったり張り付いています。バリバリと聞こえない訳がありません。


音割れについて細かく書いてきましたが、(過剰に)音圧マシマシにするデメリットは他にもあります。音割れだけじゃないです。


・音の余韻、透明感がなくなる

・音のダイナミクスがお悔やみ。(大きいところと小さいところが無い)

・立体感がなくなり、平面的な音に。イヤホンで聞くと耳に張り付いたような音

全体的にボヤボヤ(1つ1つの音がクッキリ聞こえない)

・ある音が前に出るとある音が引っ込む

などなど。といった感じです。ラブライブの曲聞いてると全部こんな感想を持ちます。

このへんはマスタリングのやり方を調べていくと理解が深まりますが、ここでは割愛。


ある程度の迫力を重視する場合、適度な音圧稼ぎであるなら好みといえば好みなのかもしれませんし、曲によってはその方が合うかもしれません。ですがアニソンに多い過剰なものはどうでしょう・・・
ランティスの海苔とか聴いていてイヤホン外してくなります。もう音がグチャグチャです。

この音圧マシマシ(音圧戦争)はJ-POPや他のアニソンも似たような感じです。
もちろん、これよりマシなもの・良い物も存在します。

また、これは安いイヤホンで良く聞こえるように最適化された音作りだ!という人いますが、そういう人は聴ければ良くて音質は気にしてないだろうし、良い方に合わせたっていいんじゃないかって思います。(そもそも安いイヤホンに最適化の意味がわかりませんが)


ただ、注意しておきたいのは音圧を上げる(ために音を弄る)ことが悪いのではなく、マスタリングには必要性があり、今書いてきたような過剰に上げ(弄り)過ぎることが良くないのです。



ここまで読んでいただければ、ラブライブ曲のハイレゾとCDの違い。
・CD→過剰に音圧マシマシ音ぐちゃぐちゃ()
・ハイレゾ→音のダイナミクスがある程度良好な綺麗な音になっている。(決して良いとは言ってない)

>>音が違うのは当然だ

ということがよくお分かりいただけたかと思います。



今回はアニメ ラブライブの「snow halation」を題材に書きましたが、
殆どのハイレゾ音源がCDとマスタリングが違い、音が異なります。
つまり、CDとハイレゾを聴き比べた時に、その音がハイレゾによる恩恵なのかわからないのです。

以上のことを踏まえると、その音がハイレゾによる良さなのかを確かめるためには、ハイレゾ音源を自分でCD音質にまで落として比較する必要があります。

私が実際に聴き比べてみると、ハイレゾの方が音の抜けが良い気がしました。ただ、そんな劇的に違うわけではなくブラインドテストでやったら答えられる自信は有りませんしプラシーボかもしれません。



そういえば以前、私がハイレゾ音源を買うのを見て「CDとハイレゾの違いなんか分かるわけないしハイレゾ音源を買うのは無駄金だ」と言われたことがありますが、これはハイレゾの本当の良さを見いだせているから買っていたのではなく、マスタリング的に音が良いから買っていたのです。


また、アニソンのハイレゾ音源を買って音が良いと喜んでる人に対して
「録音が悪い、そして下手くそな声優が歌ってるアニソンなんてハイレゾにしても意味が無い」と言う人がいますがコレは違うと思うんです。

こう言われて聴覚上・聴いて音が良いのにうまく反論できない。
それはその音の違いがハイレゾという器の大きさによるものだと思っているからというのがあると思います。
実際は上で書いてきたようにマスタリングの違いなのです。(もちろんハイレゾによる恩恵も含まれるとは思いますが)

音が良いと思えた方はCDと比べて明らかにダイナミクスの良い音・空間的な表現に優れた音になっていることを聴覚上認識できたということです。


こうくると、ハイレゾとは何なのか・・・・考えさせられます。本当にその器が必要なのか?など



■そこで思う、ならCDでも良いじゃん。もっとCDでも音作り頑張ってよ。


そう、できることならホントCDでも頑張って欲しい。
しかし、音圧戦争の中で大量に量産された海苔音源が出回り一般に定着してしまった結果、
リマスターなどで本来良い音とされるべきであった音のダイナミクスが良い・空間的表現に優れた音源が出されると、「迫力が足りない!音量(音圧)が足りない!!!」とレビューがつくことがあるほど音圧戦争に消費者は毒されています。。(好みとも言えるとは思いますが)

また、潰すことで騒音環境下で聞き取りやすくなるなどのメリットもあるので様々な環境で聞かれるCDでは完全にダメだとも言い切れません()

なら、まずはハイレゾ音源からでも!!!

いや、でもいい加減にCDの過剰な音圧稼ぎはやめてほしい。。


この音圧戦争ですが、CMやラジオで大きい音で流れる=売れる ということで始まったようです。
この現状ではダメだ!と思うエンジニアがいる一方、この過剰な歪みまくり音圧マシマシの音が良いと思っているエンジニアもいるみたいですが。。某ラ○ティスのマスタリングエンジニアとか(ボソッ




■私が買った中でいい音だったハイレゾ音源


宇多田ヒカルのハイレゾなんかは中々良い音してます。
いい音源の例としてFirst loveでも如何でしょうか。
ハイレゾですが、CD品質まで落としても堪能できるかと思います。



上下余裕を持たせた音圧に綺麗な魚の骨のような波形です。(波形はFirst loveのFirst love)
余裕を持たせた分他の音源に比べたら小さく聞こえると思いますので、ボリュームをちょっと捻ってやるといいと思います。


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以前、教えていただいたのですが懐かしの「やっぱりサルゲッチュ」なんかも中々いい音です。
Youtubeで圧縮された音源ですが良さは十分に分かります。






■うん!なら良い音求めるならハイレゾ買っとけば間違い無いのね!!!とは行かない。


上で海苔じゃないいい音はハイレゾ音源から頑張って欲しいと書きましたが、、、


例えばchouchoのハイレゾとか



波形は 優しさの理由

赤い部分が見らればっちりクリッピングまでしてるのが分かるかと思います。

音はCDと比べると良いんですが、それはCDと比べた時の話で決して良いとは言えない音質です・・・
CDより高い金出してこれかよ感強いです。 こういうのもニセレゾと呼ばれたりします。

音圧マシマシのデメリットのところに
「ある程度の迫力を重視する場合、適度な音圧稼ぎであるなら好みといえば好みなのかもしれませんが。」
と書きましたが、ハイレゾでわざわざ聴くのにそんな音求めません()

もっとも、優しさの理由・chouchoのflyleafのハイレゾ音源は適度を超えてしまい過剰に音圧稼いでる海苔音源です。。。

このようにハイレゾ盤なのに こんなマスタリングで売ってる曲も多々あります。
e-onkyoなどの配信サイトでは視聴して買えるので、一聴して納得して買うのが良いでしょう。
視聴はハイレゾで聞ける訳では有りませんが音源の綺麗さは分かると思います。


CDなら音圧稼ぐメリットもあると書きましたが、音に拘りたいからハイレゾを買っているのに・・・・?


■ハイレゾ配信曲の中に潜むニセレゾ


1,ハイレゾのメリットとされる非可聴域が鳴ってない。


ハイレゾのことを調べているとよく人が聞き取れない非可聴域のことについての効果が語られていたりします。
非可聴域まで再生できる事こそハイレゾのメリットだ!!と言わんばかりに語る人もいます。


でも・・・・

さっき良い音源として紹介したFirst loveに戻ってみます。



画像は周波数解析したものです。アレッ、可聴域全然記録されてません
21.5kHzあたりでバッサリ切れてます。(CDの記録限界同等レベル)

なぜこんなことが起きているかというと、昔録音された音源(マスター)が、もうその時点でCDレベルの器だったということです。

昔の曲をリマスターしてハイレゾ音源にしている曲は多くあります・・・・・

非可聴域云々は置いといてハイレゾで録音し直すことでよりアナログに近づく(元のマスターがアナログであるから)というメリットはあるかもしれませんが、、

昔の曲のハイレゾリマスターには、よくハイレゾのメリットとして紹介される非可聴域の音が入っていない(ものがほとんど)ということをおさえておきましょう。




2,K2HDというCDを補完し、ハイレゾ化して配信。


詳しくはこちらに纏められているので参考にすると良いと思います。
【第73回】「ニセレゾ」疑惑の真相とは - K2HDのハイレゾは本当にハイレゾか?

聴いていて気持ちよければ良いのかもしれませんが、真のハイレゾかどうかを言うならニセレゾでしょう。CDを補完してるだけですし。

非可聴域にも波形を付け足してるみたいですが、、、、本当に有効なものか・・・・?
真のハイレゾであっても非可聴域については聴いてもイマイチわかりづらい部分ですし、よくわかりませんが。

K2HDを簡単に言えば「全体的にハイレゾっぽくアレンジして非可聴域も付け足す。」です。


K2HDでの補完ではなく、ただアップサンプリングだけして配信してるハイレゾ音源もあります。



非可聴域というと、体が、皮膚が感じる。脳に作用する・・・とか言われてますが私はあまり気にしてません。。というか聴いていてよくわかりません。
恐らく効果があるのでしょう・・・そう信じこんでプラシーボ効果に期待するのが大切?(笑)



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ここまでゴチャゴチャ書いてきましたが、言いたいことは1つです。

好きな曲はきれいな音で聞きたい。


この音質の改善・向上をさせるのは「音が悪い。どうにかしろ」という消費者の声が増えることだと思います。
悪いと思ったなら叩く。大事なことです。 


ここに書いてあることはほんの入口でしかなく、大まかに分かるように書いてあります。

知識がある方が読むとアレコレ言いたいことも出てくるかもしれません・・・・もっと奥が深いとこです。

興味を持ったら調べてみてくださいね♪



何か間違った記載等あれば書き換え・追記するかもしれません。 



ではではノシ


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この記事は2014年の5月に書いたもので、それからたくさんのアクセスを頂いております。
今の自分が読み返すと書き足したくもなるのですが、音圧に関して更に踏み込んで分かりやすく解説していらっしゃるサイトが出ていましたので紹介したいと思います。
この記事で大まかに捉えたあと合わせてご覧になると理解が深まるかと思います。

LINK:ダイナミック・レンジとメーターの話







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1 件のコメント :

  1. ちゃんと論理的な記述がされててうれしかったです。自称俺わかってる勢が周りにたくさんいるので無言でURL貼り付けたい勢いでした。

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